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第4回 こけし、かだる? 鳴子編 (後編)

ここからは桜井工人の一日、一年、人生のお話を伺います。
 
まずはある一日から。
6時に起床。
今日は何をしようかと考えます。
この日は山の工房へ。
鳴子のこけしはミズキを使います。
いかに白さを保ち仕上げをするかがテーマだそう。

(photoby Eri Yoshida)

昔は炭焼き職人さんからミズキは燃やすと灰になってしまい
炭に向かないのでもらっていたそうです。
仕入れ先は岩手県の宮古。
宮古は震災で大きな被害を受けた地区。
すぐ連絡を取り無事を確認したそうです。
 
 
7時開店。
接客は妹さんが担当です。
 
(photoby Eri Yoshida)

9時半。
こけし祭りの招待工人の依頼をしにいく仲間の見送り。
こけし祭りでの工人さんはろくろを挽いているイメージが強いですが
地元の工人さんはお祭りの準備に大忙し。
秋はこけし祭りが各地で開催されるので招待工人の確保が課題。
招待工人の依頼は電話ではなく、直接会いにいくのだそうです。
 
10時。
後藤工人宅でこけし祭りの手ぬぐいのゲラの確認。
今年は60回目のこけし祭りなので手ぬぐいの販売を充実させて全18種類を販売予定。
こけし祭りで手ぬぐいを楽しみにしているお客さんはたくさんいます。
参加者の中にも手ぬぐいを暖簾やバックに仕立てて活用しているというかたもいらっしゃいました。

(photoby Eri Yoshida)
 
12時。
商工会で7月に東京巣鴨にある高岩寺の展示の打ち合わせをしながら昼食
午後からは店の隣の工房で木地挽き
作業が細切れになるときは集中する絵付け作業ではなく木地挽きをするそうです。


 (photo by Eri Yoshida)

18時夕食
 
19時閉店
 
20時まで作業 20分作業をして10分休み (テレビを見たり、家族と話したり)
 
24時就寝
 
お祭りの前は人に会って打ち合わせをすることが多く
まとまった時間にこけしを作ることが難しそう。
忙しい日々の中でon/offの切り替えはどうしているのかと伺うと
首をかしげて「どうしてるんだろうなあ?」とご自分でもわからない様子。
打ち合わせの後のおしゃべりで切り替えているのではないかなあと
おっしゃっていました。

(photo by Eri Yoshida)
 
次に一年間のスケジュールを伺います。
ある一年(2014)。

1月 春を待つ人形展 (1/23-2/20 秋田県秋田市ル・エタージュ)
   おひなさまこけしで参加(30点作る)
 
2月 東北復興支援 鳴子こけし実演展示イベント打ち合わせ
   現場でどんな風にディスプレイするかをイメージするそうです。
 
3月 
 
4月 乾燥中の木材から使えるものが出始める。
   乾燥方法は木材の様子を見ながら。皮の剥き方を毎回試行錯誤。
 
5月 
 
6月 こけし祭りの打ち合わせ
   今年は60回という記念の年。
   こけし11系統を取りそろえる目玉企画があるそうです。
 
7月 東北復興支援 鳴子こけし実演展示参加(7/2-7/6 とげぬき地蔵尊高岩寺信徒会館)
 
8月 盆踊り こけし通り地域の催事。
   鳴子は地域の結びつきが強くお葬式や運動会も地域で行います。
   こけし祭りでは獅子舞を演じます。桜井工人は笛を担当。

9月 第60回全国こけし祭り(9/1-9/2 鳴子小学校体育館)
   毎年お目当ての工人さんのこけしを購入しようと何日も前から行列ができます。
   参加者のかたにどのような状況なのかを伺ったところ当日の朝6時には40人くらい並んで   いて整理券が配られ、開始時間になると順番に体育館に入場したそうです。
   激しい争奪戦が繰り広げられると想像していました。
    実際は整然としているのでした。
   桜井工人の話によると行列しているそばで、会場の警備という名目で若手工人が集まり交    流会(お酒あり)を行っているのだそうです。
    「お客さんには申し訳ないんだけれど。」
 
   会場に飾っているポスターは第1回全国こけし祭りのポスターに彩色したものだそうで    す。
 
   こけし祭りの様子の写真を見ながらお話を伺います。
   写真は愛好家のかたがまとめてくださったものを桜井工人からお借りしました。
   古い写真が中心で当時の盛り上がりがよくわかります。
 
   パレードで張りぼてこけしが練り歩く写真。

(お借りした映像資料より)

張りぼてえじこからニョッキリ足がでているのがなんともおかしくて。

80年代でしょうか?聖子ちゃんカットをしたミスこけしの写真。
獅子舞の横で笛を吹く桜井工人の写真。
「よく覚えたよなあ。今は覚えろって言われても出来ないよ。」
昔はこけし囃しのコンテストがあったそうです。
ポリネシアン風の半裸の女性が激しく踊っている写真。
こけし祭りでポリネシアン。
この取り合わせにお祭りの盛り上がりの熱さを感じます。

(お借りした映像資料より)

子供神輿はこけしの張りぼてが乗っているのが可愛らしい。
「こけし工人が学校まで呼び出されて顔を描くのですよ。
地域によって顔が違います。」
強烈な印象を与えたのは激しく燃える炎に黒いこけしのシルエットが浮かぶ写真。

(お借りした映像資料より)

失敗したこけしなどをこの時に燃やすのだそうです。
サスペンスドラマのワンシーンを思わせるような1枚でした。
 
 
10月 紅葉 観光客がたくさん訪れます。
   こけしはお土産としても存在するもの。
   この時期は県外のイベントなどに出向かずに地元でしっかりと
         お客様と向かい合うそうです。
   
11月 鳴子こけし祭り 横浜人形の家展参加
   東北復興支援 鳴子こけし実演展示参加(とげぬき地蔵尊高岩寺信徒会館)
 
12月 木材が宮古から到着 ブームの頃は100石仕入れていたが現在は15石。
   クリスマス向けのこけしは作らずに、おひなさまこけしのアイデアが
         どんどん浮かぶのでそちらに力を注いでいるそうです。
 
こけし祭りはもちろん、観光シーズンは行楽客との交流を大切にされていたり、地域の催事も積極的に活動されています。
その中で秋田のギャラリーの出展理由は「おひなさまだったから。」
桜井工人はおひなさまを積極的に製作されていますものね。
 
(photoby Eri Yoshida)

続いて人生に迫ります。
桜井昭寛工人の人生
 
1951年(昭和26年)62日生まれ 幼少時代はモノづくりが好きな子供。
 
鳴子小学校に入学。
同級生は高亀こけし店の高橋武俊工人。
 
鳴子中学校に入学。
昭和39年東京オリンピックに向けて選手団に贈るこけしを
こけしクラブで8000体製作。
こけしクラブに工人さん達が出向いて指導にあたったそうです。
祖母の桜井コウさんもその中の一人。
あまりの忙しさにこの年のこけし祭りは中止。
中学1年生だったので木地挽きはさせてもらえず描彩部隊。
23年生が轆轤部隊で木地挽きをしたそう。

(の)

このままこけしの世界へと歩み始めるのかと思いきやバレーボール部に転部。
理由は「面白そうだったから。」
古川高校に入学。
スキー部に入部。
スキーは他の地区の学生はやらないが鳴子地区の人は全員やるそうです。
「スキーはこのあたりに住む者の定め。」
 
高校卒業。
こけし工人の道へ。
こけしクラブで面白いと思ったのがきっかけ。
 
20代にみずきの会を結成。
岡崎斉一工人を中心に結成した若手工人の会。
祭りの運営を担うように。
みずきの会で積極的に地域にかかわる仕事に取り組む。
「ここでたくさんのことを学びました。」
 
40代に昭寛型のおひなさま製作開始。
「皆がおやじと同じものを作っているけれど、自分は違うおひなさまを作りたい。」
今まで何種類作ったのか質問してもわからないとのこと。
ああしたい、こうしたいといろいろなアイデアが浮かび、
それを追いかけるように製作をするそうです。
振り返らず常に前を見て製作途中では完成図が見えておらず、
完成してこんなものが出来たんだと自分で驚くそうです。

(photo by Eri Yoshida)
 
2014年 64歳 現在。
 
今後の展望は何かとお聞きしたところ、昔の型の復刻を手掛けたいそうです。
新しいものを生み出す力と伝統の型を大切にする想い。
2本の柱がしっかりとあるのですね。
 
地域の仕事も積極的にこなしながらこけし工人の仕事に打ち込む姿はエネルギッシュ。
目が回りそうな日常を過ごしながら楽し気に見えるのは
どんなことに対しても面白そうだからやるという考えがあるからこそ。
 
「おやじに似ているのだと思います。昔は家に職人が何人もいて新型こけしも作っていました。だから伝統型だけに囚われずに自由に発想するようになったのかもしれません。」
 
伝統工芸の世界、地域との結びつきが強いと考えも縛られそうですが、
師匠である昭二工人や環境の中で芸術家センスが磨かれたのでしょう。
取材をした時に「パニックになったりしませんか?」と質問したら
「なりますよう。よくわからないけど、でもなんとかなっちゃう。」
流石であります。
  
(photoby Eri Yoshida)

最後に参加者の皆さんから感想をお聞きしました。
 
「私はこけしをまだ持っていませんが、お話を聞いて欲しくなりました。」
 
「桜井さんや皆さんの話を聞いてこけしには命があるのだなあと思いました。」
 
「気仙沼で震災で津波に会いました。
玄関にこけしを飾っていて(こけしが)いらっしゃいと言ってくれている気がしてた。
着のみ着のまま逃げて助かりましたが、あのこけしはどうしたのだろう。」
 
「うちにはいただきものの大きなこけしがあるのだけれど横に寝かせてしまったままです。
皆さんの話を聞いていたら命あるものなのになあと。作っている人の前で申し訳ないのですが。」
 
こけしを通して皆さんの心が通い合う瞬間を感じました。
こけしの話をしながらいつの間にか自分を振り返るようです。
今回のこけし、かだる?は桜井工人の貴重なお話を伺うだけでなく、
東北で暮らす人の想いにも触れた会になりました。

(の)

こけし、かだる?は毎回同じ内容で行っていますが
参加者のお話を聞いて皆が想いを寄せたり、話が更に深まったりすることで
違う色になるなあと回を重ねて感じています。
工人さんの人生や想いを聞くとこけしの印象が新しく感じるようになるのも面白いところ。

こけしへの熱い想いを話してもらったり、
発言しなくても(ぜひしてほしいですが)その場の雰囲気を楽しむだけでもよいのです。
こけしの話から自分を振り返ったりすることもあったり。
帰り道に「あー、やっぱこけしって可愛いなあ。」と心を温めていただければと思います。


次回の開催は現在未定です。
決まり次第またブログで告知いたします!


AKO


(photoby Eri Yoshida)

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